講演1「緊急支援、復興支援 ~我々、外部支援者にできること~」 明石 秀親 (国立研究開発法人 国立国際医療研究センター 国際医療協力局 運営企画部長)
【講演要旨】 国立国際医療研究センター(NCGM)は、東日本大震災発災以来、東松島市を支援してきた。 最初の4ヶ月は、NCGMセンター病院による避難所での被災者診療を行う医療支援と、国際医療協力局による保健相談センターに対する公衆衛生支援を行なった。 その後、避難所から仮設住宅への被災者の移行と共に、被災住民の医療ニーズの低下、現地医療機関の再開もあり、診療活動を終了し、公衆衛生分野の支援が中心となり、今日に至っている。 中低開発国への国際保健医療協力を行なってきた国際医療協力局のこれまでの経験は、日本国内の災害支援活動に役立ったと言えよう。 その理由は、大災害も途上国も資源が不足した中での活動が必要で、さらに地方自治体等の行政との協力、そして複数の機関との調整を行うといった活動にも慣れていたことが挙げられよう。 ここで重要なことは、我々が協力支援する相手が被災地域の行政関係者である場合、相手が被災者であり、支援を受ける立場にあると同時に、被災者を支援する立場でもあるということである。 彼らは「支援」について敏感であり、「支援する」ということにある程度の経験があったこともよかったのかもしれない。
講演2「東日本大震災時の災害対応経験とその後の取り組み」 石井 正(東北大学病院 総合地域医療教育支援部 教授 元石巻赤十字病院 医療社会事業部長)