私は2021年に同じくTMGH内のDTM&Hコース(英語で実施される医師向け熱帯医学短期研修課程;3ヶ月)を履修したことを機に,熱帯医学・グローバルヘルスをさらに学びたいと考え,2022年に博士前期課程・熱帯医学コース(Master of Tropical Medicine, MTM)に入学しました.
MTMの同期生は数名と少なめでしたが,同時入学の国際健康開発(MPH)およびヘルスイノベーション(MSc)の各master学生を含めて40名超の仲間に恵まれました.50歳で始めた学生生活でしたが,若い仲間に囲まれ,歳を忘れて充実した学業生活を送りることができました.
MPHおよびMscの課程が2年間なのに対し,MTMは1年間と短いため,講義と研究プロジェクトの両立でかなり忙しい時間を過ごします.入学直後の10月~12月は必修講義および試験・提出物に追われ,年が明けた1~3月は一部の選択講義の他は研究プロジェクトの進捗に費やされます.続く4~6月はMTM課程の一環としてDTM&Hをフル受講するため最も忙しい時期となり,残る期間は9月の修了に向けて研究プロジェクトの完遂および学位論文執筆に全精力をつぎ込みます.研究結果を最終確定させて学位論文を書き上げるまでの約2ヶ月間は,殆どアパートから出ることなく連日12時間ほどパソコンと教科書に向かい続けました.生涯で最も集中して学んだ期間でした.なお私自身は個人的事情により修学を延長しましたが,学務班のきめ細かいご配慮により1年半で無事に修了できました.学生の事情に応じて親身に対応いただけるので安心して学べます.
MTMを含めてmaster学生はアジア,アフリカ,欧州,米大陸など世界各国から集まります.講師陣も長崎のみならずLondon School of Hygiene and Tropical Medicineを含む諸外国のトップクラスの実践家・研究者で構成されています.長崎に居ながらにして外国留学に近い環境で学べるのが何よりもの魅力です.
皆さんの入学を心からお待ちしています.
Hi. My name is Aden Kay Celis-Seposo, and I am a medical doctor from the Philippines. After coming to Japan in 2020, I made the decision to pursue a Master’s in Tropical Medicine at TMGH due to its outstanding reputation in the field of tropical medicine and infectious diseases. Having completed the intensive one-year course, I’d like to share my top three impressions about it. Firstly, the MTM course offers a comprehensive range of medical knowledge, delving deeply into every tropical disease with specialized input from various experts in their respective fields. Secondly, the course has significantly improved my research skills, providing thorough lessons in epidemiology and statistics, and enabling me to produce high-quality, publishable research. Lastly, the course effectively prepares students for their future careers, whether it be in clinical, academic, or private settings. Overall, I highly recommend undertaking this master’s course to advance your skills and excel in research while exploring new opportunities beyond your current professional scope as a medical doctor or allied health professional.
熱帯医学・公衆衛生コース(DTM&H)で得た経験がきっかけとなり、更に研鑽を積むために熱帯医学修士課程(MTM)で改めて学ぶ機会を頂きました。グローバルヘルスの分野で貢献できる医師になりたいと一念発起したことがそもそもの始まりです。
MTMは1年(計4期)で修了する短期集中型のコースです。秋学期は様々な国籍・職業的背景を持つMPHやMScの方々と疫学、統計学、国際保健、衛生などの基礎を学びます。熱帯医学に関しても、顧みられない熱帯病から今や熱帯地域に留まらない感染症まで網羅的かつ具体的に学べます。冬学期に入ると、個々に修士研究の内容を検討し始めます。春学期にはDTMHに世界中から様々な専門家や参加者が集まります。より臨床に則した知識を身につけられ、フィリピン・ネパール・ベトナムの病院と実際の症例検討を行うなど充実した時間を過ごせます。夏学期は研究成果を論文にまとめる時期で、一つのテーマを集中して学び深め、指導教官や研究室の先生方からご指導頂ける貴重な期間となります。
MTMには多くの魅力があります。様々な専門的背景のある優秀な方々から大いに刺激を受けました。ロンドン大学衛生熱帯医学大学院をはじめ、国際的に活躍される国内外の講師から授業を受けられたことは言うまでもなく大きな財産です。研究に関しても、研究倫理や実験遂行、論文の読解・作成といった必須要素を細やかに教えて頂きました。また、学究生活全体を温かくサポートして下さった事務の方々への感謝の思いは尽きません。
今まで培われた経験を活かしながら更に視野を広げたい方には是非受講して頂きたいコースです。
Hi ! This is Augustin Kabongo; I am from DR Congo. I came to Japan as MEXT student through embassy recommendation and joined TMGH in October 2021. Studying the Master of Tropical Medicine in TMGH was exciting. As other students, I got an exceptional international experience that I hope will help me in my future career. For 2021-2022 academic year, classes were interactive with students from over 15 different countries and courses were taught by experts in a well-equipped environment that facilitates learning process and advanced research with full support of the teaching staff. Now more than ever, I feel ready to face global health issues and tropical diseases. And for those who are interested in global health and tropical medicine, I strongly recommend joining TMGH, I strongly recommend joining TMGH.
I am Morichika Osa. I’m interested in Tropical medicine and entered MTM course. There were various experiences during this course. For example, I could have discussion (group work), learn subjects such as statistics, epidemiology which I haven’t learned systematically until then. Due to the pandemic of COVID-19 infection, I had tough time, however, I encouraged with not only MTM students but also MPH and MSc students each other and could overcame this hardship. Additionally, we could obtain Diploma in Tropical Medicine and Hygiene (DTM&H). In this course, students can learn medical management of tropical diseases and deepen those knowledges through the practice. Finally, I really recommend MTM course to those who are interested in tropical medicine.
グローバルな視点で医療を学んでみたいと思い、MTMコースを受験し学ぶ機会をいただきました。
修了生として、このコースの概要をご紹介できればと思います。4学期制で、初めの秋・冬のタームはMTMだけでなく、MPH、MScのメンバーとも一緒に講義を受けさせていただきました。統計や疫学はもちろん、熱帯医学などすべての講義が刺激的でした。他のコースの学生さんたちと共に学ぶことで、アジアやアフリカの留学生から学んだり、また、医師だけでなく看護師や薬剤師などの多職種の方々ともディスカッションをしたり、学び教えあったり、また時には休息をともにしたりして、世界観が広がるとても良い機会でした。日本の一小児科医では得ることのできなかった貴重なつながりができました。
春からのタームは、秋冬に学んだ内容をさらに詳しく学び、新たな世界が広がりました。MTM学生だけとなり、臨床に即した講義も多く、またベトナム・フィリピンの連携施設からのケースプレゼンテーションやLSHTMの講師陣の講義もあり、興味深く印象的なものでした。小児領域は僅かでしたが、いまや日本にいては診ることができていなかった麻疹や、重症の脱水や栄養失調などをまなぶこともできグローバルな視点でこどもたちを診ていくことのきっかけになったと思っています。
冬と夏のタームでリサーチにも取り組み、1年という短い期間でしたが、指導教官の先生方がやさしく丁寧に指導してくださったおかげさまで修士論文にまとめる機会もいただき、大変でしたがよい経験となりました。
夏には、初めてのフィールドトリップに参加させていただき、2週間フィリピンでベッドサイドティーチングを含む熱帯医学の臨床講義を受けることができ、この年度のMTMに参加できてラッキーでしたし、今後も継続されることを願っています。
講師のみなさま、学生のみなさま、そしてTMGHの事務のみなさまにたくさん支えていただきとても有意義で学びの多い1年を過ごすことができました。ありがとうございます。ぜひ、ご興味のあるみなさまもご参加なさることをおすすめします!
I am Yannick Munyeku, a Medical Doctor working for the DR Congo Ministry of Health. I went to Japan through JICA ABE Initiative as part of the human resources capacity building program. As a TMGH student, I had a rich and diverse experience. Courses were designed and taught to provide to students relevant knowledge to efficiently and comprehensively deal with global health issues across the globe and in developing countries specifically. As a MTM student, I have been able to strengthen and acquire competitive skills in biomedical research, epidemiology and clinical management of Infectious diseases while networking with colleagues, researchers, clinicians and academia from all over the world. I strongly recommend TMGH to health professionals who would like to endlessly work for a safer world where nobody is left behind.
私はMTM3期卒業生の南建輔と申します。
この1年を振り返ると、慌しくあっという間に過ぎていった印象ですが、留学生と一緒に学び、食事をし、雑談も含めていろいろと語り合うことができたのは、大きな財産となりました。
講義に関しては、秋学期に疫学、統計学の基礎を学び、研究への足がかりとなりました。またグローバルヘルス関連の講義では、自分があまり意識してこなかった新たな視点を持つことができました。春学期に熱帯医学の講義が集中していて、スケジュールは非常にタイトでしたが、一般的な講義だけでなく、海外の病院とオンラインでのケースカンファレンス、海外からの招聘講師による特別セミナーや、採取した蚊や寄生虫の虫卵を検鏡する実習などがあり、非常に有意義な時間を過ごしました。
私の研究は、非結核性抗酸菌症患者のリンパ球を刺激して放出されるサイトカインのパターンを、フローサイトメトリーを使用して調べるものでした。元々臨床医であり、研究を全くしたことがなかった私にとって、実験を行い、得られた結果を解析して、論文を書くということは、とても新鮮な経験であり、人間に備わる免疫機構を深く勉強し直す契機となりました。
このコースは熱帯医学、グローバルヘルスに関して様々な角度から学ぶことができた貴重な期間だったと思います。
私は顧みられない熱帯病の一つであるシャーガス病に興味を持ち,ボリビアとニカラグアへ行く機会をいただきました。ボリビアでは病院見学,カルテ情報の収集,血液サンプルのDNA 抽出を行いました。ニカラグアでは,シャーガス病を媒介するサシガメの家屋調査に同行させていただきました。良くも悪くも現地の実情がよくわかり勉強になりました。帰国後はMTM,MPh,MSc 同期とお互いの活動報告なども楽しめます。講義に関してはロンドン大学衛生・熱帯医学校との連携や著名な学内外の先生方が内容の濃い話をしてくださるので間違いなくハイレベルです。今後自分は長崎大学で博士課程に進学予定ですが,他の同期は臨床復帰や国際機関なども考えているようで選択肢は多岐に渡ります。MTM楽しいですよ。
MY name’s Gavicho Lindo Celestino, from Mozambique.After graduated at Faculty of Medicine, I worked as clinician at districtal hospital and simultaneously as administrative manager of the hospital and as clinical director, coordinating clinical activities all over the district with 15 health centers. I entered in Nagasaki University supported by ABE Initiative (African Business and Education for youth Initiative).
As MTM (Master of Tropical Medicine) I experienced four main pillars:
1. View of global medicine
2. As clinician how to conduct clinical cases focused in tropical or infectious disease.
3. Introduction of research, it was first experience and it motivate me to continue doing research as clinician.
4. Laboratory work for diagnosis.
I hope that from this very important experience and learning I achieved I’ll continue to combine clinical and research to meet the needs of health in the community.
Really the Nagasaki University – TMGH, is a Center of Human Building for Tomorrow.
(MINISTRY OF HEALTH, Provincial Directorate of Health in Zambézia- Mozambique)