修了生メッセージ

Archive for ‘ 国際健康開発コース ’

土屋 良美さん 国際健康開発研究科2年

2012_5こんにちは。ラオスの県保健局で長期インターンシップを開始してから1週間が経ちました。短い時間ですが、1年次に学んだことが生きていると実感する瞬間に遭遇しています。この研究科では幅広い分野の講義を少人数形式で受けられ、経験豊富な教授陣に気兼ねなく質問や相談が出来てしまうというなんとも贅沢な環境が用意されています。しかし私はこれまで保健医療に関しての経験がなく、また幅広い分野を同時に学ぶ本研究科の特色の中で、学んだことを自分の力へ変えていけているか、という不安もありました。しかし今、実際にラオスに来て、物事を見つめるときの視点、切り口が増えているということを実感しています。「あっ、これあの先生が行っていたことと関係あるんじゃないか。あっ、これあの資料に書いてあったぞ。
という気付きがあるからこそ、”今目の前で起こっていることを他の事象と比較して考えてみる”ということが出来ているように思います。もちろんその気付きから次に何を導き出すかは私にとってのチャレンジであり、只今修行真っ只中という感じでしょうか。長崎の先生方やインターン先も含めラオスの人々の温かさに触れる度に、現地の人に喜んでもらえるものを少しでも還元したいと思えてなりません。学生という贅沢な時間を最大限に生かして取り組みたいと思います。

天池なほみさん 国際健康開発研究科2年

2012_4基礎・基本があるからこそ物事の選択が出来、時には捨てる勇気をもて、自分の信念や新しい発想へと転換していくのではないでしょうか。これまでの看護師・青年海外協力隊での経験の中で、気づき・臨場感・共感等の完成で物事を語る機会が多かったのに対し、ここでは様々な分野から多面的で冷静な見る視点を養う機会となっています。本研究科の学術的で多彩な科目の基礎を贅沢に学びながら、これまで感じていた全てがつながっていく、躍動感にあふれる時間を過ごしています。
世界で自国の言葉で公衆衛生を学べるのは日本と南米のみだそうです。より深く理解し自分の力にしていけるという大きな利点の浦には、英語教育でないがゆえに起こる現場での壁もあるかもしれません。しかし本研究科には心強い教授陣との密なつながりとインターンシッププログラムがあり、これらは言葉の問題のみならず、机上での学習で得た専門知識を、実体験を通して自分の学びに変えていける素晴らしいチャンスです。1年次の学習やそのプロセスから学んだ一つ一つの知識を、今度は自分で選択・判断・活用し、現地で彼・彼女らの力を発揮できるよう共有していく番です。インターンシップでの様々なプロセスからの学び・経験を自分の地震・発信力につなげていきたいと思っています。

松本 航さん 国際健康開発研究科1年

2012_3まず最初に皆さんにお断りしておかねばなりませんが、この文章を書いているのが入学後2週間程度であり、私自身あまり理解できていないため、コース全体の内容について詳しくご紹介出来ないことをお許しください。
海外での活動経験がない私にとって、初めて知ることが多く、日々の宿題をこなすのが精一杯で、授業についていくことが大変ではあるものの、非常に新鮮な気持ちで日々授業に挑んでいます。また同級生はそれぞれ様々な経歴を持っており、彼ら彼女らの話を聞き、物事に真剣に取り組む姿勢を見ることだけでも、大変刺激になります。
2年間の間に授業を受けるだけでなく、長期インターンシップを行い、課題研究を行い、と目一杯詰め込まれているスケジュールですが、まなぶにはとても良い環境であり、とても良い経験が得られそうと期待に胸ふくらませている現在の私であります。

新野 真理子さん 国際健康開発研究科1年

2012_2私は以前から海外で働いてみたいという希望がありました。看護師として6年間病院で経験を積んだ後、ラオス国に青年海外協力隊、看護師としてボランティア活動に参加しました。日本に帰国後、看護の大学院に進学するかも迷いました。しかしラオスでの経験から健康問題は社会的、経済的、文化的な様々な要因が絡みながら起こっている事を知りました。それを振り返り、私は健康に問題を抱える方が多くいるところで人の健康を支える保健システムづくりの事や地域全体の健康レベルを向上させる為に必要なことを改めて学びたいと考えるようになりました。長崎大学は高い専門知識と幅広い経験を持った教授陣がおられ、かつ大学内にはとどまらず多方面から国際の分野で活躍されている先生方がこられて教鞭をとられるということで、学びを深め再度国際保健の分野で仕事をしていくのであれば、非常に恵まれた環境であると思い受験しました。そして今、入学してみると、同じような志を持った仲間に出会うことができ、非常に良い刺激になっています。出会えた先生方、先輩、クラスメイトに感謝しこの2年間で精一杯学んでいこうと思っています。

後藤 久美子さん 国際健康開発研究科1年

2012_1私は、青年海外協力隊として2年間ガーナでエイズ対策として活動していました。帰国後は、九州海外協力協会に所属し、開発教育支援事業をしておりました。その中で、自分の2年間の協力隊での活動を振り返り、もう一度国際保健の分やで活動したいと思うようになり進学を決めました。もともと医療のバックグランドを持っていない私ですが、熱帯医学や疫学、医療文化人類学など私にとって新しい世界ばかりです。これまで見てきた開発途上国での保健問題を多角的な面から考える場となっています。また、相談には何時間でも付き合ってくれる熱い熱い先生方、またそれぞれに違う分野をもったクラスメートとともに学生生活を送れることに感謝感謝の日々です。2年目からは、実際に開発途上国での長期インターンシップと研究が入ってきます。アフリカで再び活動していきたいと思っていますので、1年目の学校生活から多くのものを得、実践へ役立てるよう頑張っていきたいと思います。

鶴岡 美幸さん 平成23年3月修了

2011_3”オールスター教授陣!”これが研究科の一番の特徴です。非常に贅沢な講義に参加出来ます。学びの手法と言うものは、ひとそれぞれの好みや得意な方法があるのでしょうが、魅力的な講義での学びは強烈な印象となります。研究科のもう一つの特徴は、とても欲張りなカリキュラムという点です。座学で学んだ後、長期インターンシップでは実務経験を積みながら研究も行います。頑張るもよし、自分の経験やペースに合わせて取捨選択するもよし。また、互いに似ているようでいて各々の個性がひじょうに強い学生との出会いも貴重な財産です。
国際保健という分野において、自らをどの立場に置きどのような活動をしようか?というテーマに正解はありません。正解のない問いに自分なりの答えを見出すためには、豊富な知識と経験を要します。このテーマに真摯に取り組む覚悟を決められた。私にとってはそんな二年間でした。

小山 佳那子さん 平成23年3月修了

2011_2私は現在NGOに所属し、海外プロジェクトを国内からサポートしたり、新規事業形成に関わる仕事をしています。長崎を離れれば離れるほど、MPHでの学びがいかに貴重であったかを感じる毎日です。例えば、大学時代には学ぶべき分野の多さに戸惑いを感じたこともありましたが、実際に自分が事業形成やその運営管理に携わると、大学で学んだプロジェクトマネージメント、援助論、保健政策、文化人学、統計学と言った様々な分野が絡み合い考え方の基礎になっていることを実感します。その基礎があるからこそ、現在の仕事に活かせるのだと思います。また、諸団体が参加する外での会議に出席すると、教授陣を始め先輩方の長崎ネットワークの強さを改めて感じることがあり、非常に恵まれた環境で学べたことに感謝しています。今まではアジアを主なフィールドとしていましたが、現在はアフリカ事業が中心となり、職場の皆さんに支えられながら新しい分野を学んでいます。

菊池 可奈子さん 平成23年3月修了

青年海外協力隊での活動をきっかけに、人々が健康になることを阻害する要因には、貧困問題だけではなく、宗教や文化、習慣など様々なことが複雑に絡み合っていることを知りました。どのような方法をとれば、貧しい人も豊かな人もみんなが安心して健康に過ごせるのだろう、そのことをもっと深く学びたいと思い、入学しました。
一年次は、医療系の自分にはまったく縁のない経済学や人類学など新しい学びがあり、課題は大変でしたが、調べれば調べるだけに貪欲に知見を深めることが出来、先生方もその貪欲さに付き合って下さり贅沢な時間を過ごしました。二年次には、インターンとしてJICAのプロジェクトで実務経験をした後、母乳育児に関する調査・研究を行いました。国際協力の現場の実際をインターンという立場で業務としての責任を含めて学べた大変貴重な機会であったとともに、現地の人々からも人間が生き抜く術や強さを学んだ8ヶ月でした。
現在はHANDSという法人で、UNICEFと共に3月11日に起こった東日本大震災の復興支援プロジェクトスタッフとして岩手県沿岸部の乳幼児の保健・栄養支援にかかわっています。本研究科の先生方、事務職員の方々に支えていただき、たくましく個性豊かな仲間と過ごした長崎での日々を胸に、これからも困難な状況に打ち勝つ精神力と応用力を磨き、日々成長していけるように頑張りたいと思います。

豊島 さやかさん 国際健康開発研究科2年

2011_7ウクライナはキエフから、豊島さやかです。チェルノブイリ原子力発電所事故後の調査として、キエフにある放射線医学研究所でインターンシップと研究をしています。かねてより放射線災害はテロも含めて必ず起こるからそのために専門家になって山下先生の片腕とまではいかなくてもリンパ球の一つくらいにはなりたいと思っていたら、あまりにも早くそれは日本で起こってしまいました。このセンターではチェルノブイリ事故で被害を受けた人々やその子供たちの健康問題を長期検診によってコホート調査をしています。25年たって健康問題は現代病も含むようになり、一層複雑化しています。しかしこうして放射線災害治療に特化した施設はこれから日本のみならず世界中で必要になるので、本当に良い経験と学びをしています。つたないロシア語で奮闘しつつ、公衆衛生は決して貧困や感染症の為だけにあるのではないという見地からキエフと福島を見つめながらここにいます。

高橋 理慧さん 国際健康開発研究科2年

2011_6私は大学を卒業してすぐにこの研究科に来たので、いわゆる「新卒」と言われる部類になります。海外のMPHコースでは普通、何年かの勤務経験が必須となり、いわゆる新卒は門前払いされることも少なくありません。国際協力の分野でキャリアアップしていく覚悟をした上で私がよく考えたのは、「資格が先か、経験が先か」ということです。結論として、まずは資格を優先することにしました。何も知らないけど一緒にやりましょうと現場に入っていくのではなく、少なからずこれなら貢献できますというものを持つことが、そこに住む人々と仕事をするうえで最低限の礼儀ではないかと思ってからです。そして今、その決断をして正解だったと思っています。具体的にこの研究科で学んだ、疫学・統計、研究の仕方、PCM(プロジェクトサイクルマネージメント)はプロジェクトを運営していく上で欠かせない技術であり考え方で、これらを軸に実践で役立つ人間に成長したいです。また、今こうしてWPRO(WHO西太平洋地域事務所)で素晴らしい経験をさせていただいていることは、この研究科に拾っていただかなければ実現できなかったことなので、本当に感謝の毎日です。
写真:カンボジアとタイの国境にある拘留所のプログラムサイトにて。移民を対象にした結核のプロジェクトが10月から開始される。

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