熱帯医学コース

博士前期課程 グローバルヘルス専攻

熱帯医学コース(Tropical Medicine Course)

博士前期課程 グローバルヘルス専攻 3つのポリシー

熱帯医学・グローバルヘルス研究科グローバルヘルス専攻は,入学者に以下の資質・素養を求めます。

  1. グローバルヘルス領域における各コースおいて,修士レベルの研究・実践能力を修得するために必要な基礎知識・技術を有する(知識レベル)。
  2. 同領域の進展に貢献しようとする向学心を有する(ミッション・精神レベル)。
  3. 修士号取得後に様々な分野と協働して国際チームの一員としてリーダーシップ・フォロワーシップをもって活躍できる能力,柔軟性を備えている(社会性・国際性・能力レベル)。
熱帯医学,国際保健及び関連する実践的科学の基礎知識を身に付けた上で,そのいずれかに特化した専門性を持ち,当該分野での問題解決能力を身に付けさせるカリキュラムを構成する。

  1. グローバルヘルス領域の基礎を学ぶとともに,応用科目に設定されている各モジュールならびに講義科目の概要を理解させるため,基礎科目を設ける。
  2. 疫学と統計学の基礎と,研究デザイン,研究倫理について教え,修士課程における研究の推進に関する専門基礎を学生に修得させ,最終的な修士論文(または,特定課題研究報告書)作成能力を担保するため,専門基礎科目を設ける。
  3. 各コースの専門性を担保するため,グローバルヘルス領域を構成する「疫学・統計学」,「地球環境・衛生学」,「国際地域保健学」,「基礎熱帯医学」,「社会行動科学」,「臨床熱帯医学」,「医療政策・マネージメント」の7つの科目群をモジュールとして配置する応用科目を設ける。
  4. 研究計画書作成の指導から研究計画の実施,修士論文(または特定課題研究報告書)の作成までの指導を行うため,グローバルヘルス演習を設けるとともに,研究指導を行う。熱帯医学コースでは,グローバルヘルス演習で海外での臨床や臨床疫学を学修する。
  5. グローバルヘルス領域の重要トピックスの専門知識を3コースの学生が合同で共修し,総合的思考能力とディベート能力を涵養するため,3コース共修の演習科目としてグローバルヘルスセミナーを設ける。
  6. ヘルスイノベーションコースでは,1,2年次にテーマを設定した演習を指導教員の指導の下で実施するため,ヘルスイノベーションゼミを設ける。ゼミのテーマは,基礎・応用医科学,ベクター生態学,疫学・集団健康学,健康情報学,健康社会科学・社会工学の5テーマから選択する。
  7. 国際健康開発コースでは,1年次に短期フィールド研修を,2年次には長期海外研修を設ける。
  8. バックグラウンドや実務経験が異なる学生を高度なレベルで統一して専門基礎科目,応用科目が学べるようにするため,人文・社会科学系出身の学士には,基礎科目として基礎人間生物学を設ける。なお,国際コミュニケーション,IT機器,基礎統計学等の多くの補講・補習を用意することにより,教育の質と学修成果の達成レベルを担保する。
人々の健康と幸福に貢献できるグローバル人材の育成を目的としており,その修士像を以下のディプロマポリシーに集約させている。

  1. 専門性・専門知識 グローバルヘルス領域における熱帯医学,国際健康開発及びヘルスイノベーションについての専門知識・技術を習得し,それを遂行する能力を有する。
  2. 広範な基礎知識とコミュニケーション・協働能力 グローバルヘルス領域における広い基礎知識を習得し,多様な専門家と英語でコミュニケーションがとれ,協働・協力してグローバルヘルス領域の課題の解決に貢献する能力を有する。
  3. プロフェッショナリズム 熱帯地の開発途上国及び全地球レベルでグローバルヘルスの改善に貢献できる高度専門職業人としての素養と知識と技術,及びプロフェッショナリズム,不屈の精神を有する。
  4. リーダーシップ/フォロワーシップ 以上の能力をもち,統合的なグローバルヘルス領域において国際チームの一員としてリーダーシップとフォロワーシップを発揮できる能力を有する。

コースの概要

標準修業年限:1年 学位の種類:修士(熱帯医学) 修了要件: – 必修科目24単位の全てを修得 – 選択科目6単位を取得 – 修士論文(特定課題研究報告書)の審査 – 最終試験に合格 応募要件: – 医師免許(日本国外で取得した医師免許も可) – 2年以上の臨床経験またはそれに相当する経験を有する者 カリキュラム: 修了のために必要な基準及び授業の内容等については以下を参照してください。

博士前期課程 グローバルヘルス専攻 カリキュラム

主な応用科目のモジュール

基礎熱帯医学モジュール
  • 病原微生物学Ⅰ
  • 病原微生物学Ⅱ
  • 病原微生物学Ⅲ
  • 免疫学
  • バイオテクノロジー

熱帯医学分野で重要な感染症学の基礎医学的側面を修得する。

臨床熱帯医学モジュール
  • 臨床熱帯医学(臓器別)
  • 臨床熱帯医学(地域別)

臨床の観点から熱帯感染症を中心とした熱帯病を診断,治療できる知識と技能を修得させる。

疫学・統計学モジュール
  • 疫学Ⅱ
  • 統計学Ⅱ

より高度な多変量解析等の疫学,統計学の手法を教授し,グローバルヘルス領域での研究に応用できる能力を涵養する。

地球環境・衛生学モジュール
  • 衛生動物学
  • プラネタリーヘルス

より高度な地球環境・衛生学の知識,手法を教授し,グローバルヘルス領域での研究に応用できる能力を涵養する。  

修士論文(過去の在学生の研究テーマ)

2022

修士論文タイトル一覧

修了生メッセージ

守屋 章成さん

修了年度:2023年

私は2021年に同じくTMGH内のDTM&Hコース(英語で実施される医師向け熱帯医学短期研修課程;3ヶ月)を履修したことを機に,熱帯医学・グローバルヘルスをさらに学びたいと考え,2022年に博士前期課程・熱帯医学コース(Master of Tropical Medicine, MTM)に入学しました.

MTMの同期生は数名と少なめでしたが,同時入学の国際健康開発(MPH)およびヘルスイノベーション(MSc)の各master学生を含めて40名超の仲間に恵まれました.50歳で始めた学生生活でしたが,若い仲間に囲まれ,歳を忘れて充実した学業生活を送りることができました.

MPHおよびMscの課程が2年間なのに対し,MTMは1年間と短いため,講義と研究プロジェクトの両立でかなり忙しい時間を過ごします.入学直後の10月~12月は必修講義および試験・提出物に追われ,年が明けた1~3月は一部の選択講義の他は研究プロジェクトの進捗に費やされます.続く4~6月はMTM課程の一環としてDTM&Hをフル受講するため最も忙しい時期となり,残る期間は9月の修了に向けて研究プロジェクトの完遂および学位論文執筆に全精力をつぎ込みます.研究結果を最終確定させて学位論文を書き上げるまでの約2ヶ月間は,殆どアパートから出ることなく連日12時間ほどパソコンと教科書に向かい続けました.生涯で最も集中して学んだ期間でした.なお私自身は個人的事情により修学を延長しましたが,学務班のきめ細かいご配慮により1年半で無事に修了できました.学生の事情に応じて親身に対応いただけるので安心して学べます.

MTMを含めてmaster学生はアジア,アフリカ,欧州,米大陸など世界各国から集まります.講師陣も長崎のみならずLondon School of Hygiene and Tropical Medicineを含む諸外国のトップクラスの実践家・研究者で構成されています.長崎に居ながらにして外国留学に近い環境で学べるのが何よりもの魅力です.

皆さんの入学を心からお待ちしています.

修了生メッセージ一覧

履修モデル(一例)

医師として2年間の臨床経験を有する者が,研究マインドを持った臨床医として大学病院勤務を目指す

 
PAGE TOP
HSR2024