熱帯医学コース
(Master of Tropical Medicine: MTM)

博士前期課程 グローバルヘルス専攻

熱帯医学コース(MTM)

本コースについて

熱帯医学博士前期課程(修士)は医師のみを対象としたコースで,熱帯医学・グローバルヘルスの領域における知識および技能の向上を目指します.

2006年のコース創設(当初は長崎大学熱帯医学研究所内に開設)以来,日本および世界各地のエキスパートによる教育を提供しています.熱帯地域または低資源環境での臨床業務や研究活動を志す医師を広く募集しています.総合診療医・家庭医,感染症科医,渡航医学医,その他熱帯医学に関心を持つあらゆる専門医を歓迎します.

本コースの特色として,熱帯医学衛生学ディプロマ(Diploma in Tropical Medicine and Hygiene – DTM&H)の研修コースを追加学費なしで受講できます.熱帯医学衛生学ディプロマに加え,博士前期課程中には疫学,生物統計学,研究実施手法,その他関連する科目を履修し,さらに独自の研究プロジェクトも遂行します.在学中にはフィリピン等の連携医療機関での実習の機会もあります.

本コース修了生は,国際NGO(国境なき医師団MSFなど),臨床感染症科,渡航外来などの各領域で活躍すると共に,博士後期課程(PhD)に進んで研究機関での臨床研究・基礎研究にも従事する方もいます.

勤務を続けながら遠隔(オンライン)で履修できるサテライトコースも設置しています.

コースの概要

修業年限

学位

  • 修士(熱帯医学)

履修場所および学期

  • 長崎大学大学院 熱帯医学・グローバルヘルス研究科(長崎大学坂本キャンパス内)
  • 主要な履修期間は第1学期(10-12月)および第3学期(4-6月)
  • 第2学期(1-3月)にも選択科目はあるが,研究プロジェクトに集中することも可能(海外拠点でのデータ収集も可)
  • 第4学期(7-9月)は研究プロジェクトの完了および修士論文の提出に充当;口述試験は通常8月に実施
  • サテライトコースの場合はオンラインで受講(※実習科目によっては対面受講が推奨される場合がある),かつ学期ごとの科目および研究プロジェクトは2年間かけて履修可

修了要件

  • 必修科目24単位
  • 選択科目6単位以上
  • 修士論文および口述試験の審査合格

カリキュラム

主な受講内容

  • 疫学および生物統計学(基礎および応用)
  • グローバルヘルス
  • 地球環境衛生学
  • 病原微生物学I,IIおよびIII(それぞれウイルス学,寄生虫学および細菌学)
  • 熱帯医学I(基礎熱帯医学)
  • 熱帯医学II(熱帯医学における実験・検査手技)
  • 臨床熱帯医学(症候別および地域別)
  • 医動物学
  • プラネタリーヘルス

必修科目および選択科目の詳細については 博士前期課程カリキュラムのページ を参照

熱帯医学衛生学ディプロマ(Professional Diploma of Tropical Medicine and Hygiene,DTM&H)

研究プロジェクト

  • 学生の研究プロジェクトはフィリピン,ベトナム,ネパール等の熱帯拠点でも遂行可能
  • フィリピンのサンラザロ病院(感染症専門病院)には 長崎大学との共同研究拠点 があり,学生の研究プロジェクトも遂行可能
  • 海外拠点等で取得したデータに基づいて修士論文を作成
過去の修了生による研究プロジェクト
2022年修了生の例

修士論文タイトル一覧

諸費用

入試検定料 30,000円
入学料 282,000円
年間授業料 535,800円
  • 授業料は半期ごと267,900円の支払
  • 第3学期(4-6月)中の DTM&Hコース を履修する場合のコース学費は免除

応募

応募要件

  • いずれかの国における医師免許
  • 2年以上の実務経験(臨床研修含む)
  • 入学希望年より2年前の1月1日以降に受験した下記のいずれかの英語試験の成績証明書の提出
    • IELTS Academic Module
    • TOEIC Listening & Reading Test
    • TOEFL
    • TOEFL iBT
    • Duolingo English Test
    • ※英語による大学または大学院教育を修了した者は英語試験が免除されます

詳細は募集要項をご参照ください.

応募期間

対象 応募期間 入試日 入学時期
一般入試
  • 日本国籍者
  • 日本に永住権を持つ外国籍者
1月上旬~1月中旬 2月中旬 10月1日
社会人特別入試
(サテライトコース)
外国人留学生入試
  • 海外に居住する外国籍者
3月下旬~4月中旬 5月上旬 10月1日

年度ごとの詳細な日程は 募集要項 を参照してください.

応募方法

募集要項 を参照し必要書類を提出してください.

: 募集要項中のPDFファイルに記載のある ‘出願資格審査‘ について,熱帯医学コースへの応募資格には医師(医学士)が含まれるため,上記の応募要件に該当する限りは ‘出願資格審査‘ を経ず直接応募いただけます.

修了生からのメッセージ

守屋 章成さん

修了年度:2023年

私は2021年に同じくTMGH内のDTM&Hコース(英語で実施される医師向け熱帯医学短期研修課程;3ヶ月)を履修したことを機に,熱帯医学・グローバルヘルスをさらに学びたいと考え,2022年に博士前期課程・熱帯医学コース(Master of Tropical Medicine, MTM)に入学しました.

MTMの同期生は数名と少なめでしたが,同時入学の国際健康開発(MPH)およびヘルスイノベーション(MSc)の各master学生を含めて40名超の仲間に恵まれました.50歳で始めた学生生活でしたが,若い仲間に囲まれ,歳を忘れて充実した学業生活を送りることができました.

MPHおよびMscの課程が2年間なのに対し,MTMは1年間と短いため,講義と研究プロジェクトの両立でかなり忙しい時間を過ごします.入学直後の10月~12月は必修講義および試験・提出物に追われ,年が明けた1~3月は一部の選択講義の他は研究プロジェクトの進捗に費やされます.続く4~6月はMTM課程の一環としてDTM&Hをフル受講するため最も忙しい時期となり,残る期間は9月の修了に向けて研究プロジェクトの完遂および学位論文執筆に全精力をつぎ込みます.研究結果を最終確定させて学位論文を書き上げるまでの約2ヶ月間は,殆どアパートから出ることなく連日12時間ほどパソコンと教科書に向かい続けました.生涯で最も集中して学んだ期間でした.なお私自身は個人的事情により修学を延長しましたが,学務班のきめ細かいご配慮により1年半で無事に修了できました.学生の事情に応じて親身に対応いただけるので安心して学べます.

MTMを含めてmaster学生はアジア,アフリカ,欧州,米大陸など世界各国から集まります.講師陣も長崎のみならずLondon School of Hygiene and Tropical Medicineを含む諸外国のトップクラスの実践家・研究者で構成されています.長崎に居ながらにして外国留学に近い環境で学べるのが何よりもの魅力です.

皆さんの入学を心からお待ちしています.

修了生メッセージ一覧

お問い合わせ

TMGH博士前期課程に関するお問い合わせはこちらまで

PAGE TOP
HSR2024