設置の目的

研究科の理念・目的

21世紀になり経済、産業や流通のグローバル化が進み、自然・社会環境に関する諸問題も地球規模で考えなければならない時代になりました。とりわけ、環境の変化に影響される感染症やメンタルヘルス、生活習慣病などの疾病対策には、時に国や地域の境界を越えた「グローバルヘルス」という新たな概念が必要となります。
熱帯医学・グローバルヘルス研究科においては、あらゆる既存の学術境界を越えた新たな総合的アプローチにより世界の健康問題の解決をめざす「グローバルヘルス領域」で国際的に活躍できる人材を養成することを目的としています。

 

なぜ長崎に熱帯医学・グローバルヘルス研究科を設立したのか

長崎大学は,「長崎に根づく伝統的文化を継承しつつ,豊かな心を育み,地球の平和を支える科学を創造することによって,社会の調和的発展に貢献する」という理念を掲げ,これを実現するために「現場に強い,危機に強い,行動力のある」人材を育成し,21世紀の知的基盤社会をリードすることを目指しています。そのための重要教育目標の一つは,グローバル化時代の国際的な現場でリーダーシップを発揮することのできる人材を育成することです。

また,長崎大学は,長い伝統を持つ医学部及び国際的に活躍する熱帯医学研究所を有するとともに,教育学部,経済学部,歯学部,薬学部,工学部,環境科学部,水産学部を有し,平成20年度に国際健康開発研究科、平成26年度からは真のグローバル人材育成に特化した多文化社会学部を創設しました。国際的活動とともに地域に根ざした活動にも力を入れ,行政とも連携を保持しつつ教育・研究を促進しています。学長のリーダーシップの下,「地方総合大学として今育成すべきは,地域の観点から世界を鳥瞰し,グローバルな視点から地域を考え,地域の課題を通して地球規模の課題と向き合うことのできるグローカリティ(glocality)を体現する人材である」とのミッションを掲げています。

そこで,これまでの実績と本学のミッションを踏まえ,グローバルヘルス領域の人材育成が遅れ,かつ,統合化も遅れている日本の教育の状況にあって,グローバルヘルス領域を鳥瞰する人材を育成する新たな研究科を設置することは,長崎大学の使命であると認識し、既設の医歯薬学総合研究科熱帯医学専攻と国際健康開発研究科国際健康開発専攻を発展的の統合し、この長崎の地に設立することとしました。

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