研究科長ご挨拶
長崎大学熱帯医学・グローバルヘルス研究科(以下、TMGHと略称します)研究科長の北です。
このたびTMGHの設置10周年記念式典およびピーター・ピオット卿への長崎大学名誉博士称号授与式にご参加下さった国立健康危機管理研究機構(Japan Institute for Health Security, JIHS)理事長長の國土典宏教授、東京大学大学院医学系研究科国際保健学専攻長の橋爪真弘教授、そして会場およびオンラインでご参加いただいた皆様に、心より感謝申し上げます。
また、英国大使ジュリア・ロングボトム氏およびロンドン大学衛生・熱帯大学院(London School of Hygiene & Tropical Medicine, LSHTM)学長リアム・スミース教授からメッセージをいただいたことに感謝申し上げます。
長崎大学とTMGHの歴史については、学長の永安 武教授のご挨拶、また有吉紅也教授、門司和彦教授の記念講演で紹介されますので、私はTMGHの背景と現在の進捗状況について短くお話しします。
TMGHは2015年4月、異なる大学院の2つの修士課程を統合して新設されました。一つは医歯薬学総合研究科の「熱帯医学専攻修士課程」
で、日本の医師が1年で熱帯医学の修士号を取得できるプログラムです。もう一つは国際健康開発研究科で公衆衛生学を学ぶ「修士課程」です。私はTMGHの初代研究科長として、大学院生、教職員の皆さんと共にTMGHの発展に努めてきました。
TMGHは当初、修士課程のみで開始しました。その後、より高度な教育の必要性を感じ、東京の国立国際医療研究センター(National Center for Global health and Medicine NCGM当時、現在はJIHS)とLSHTMとの連携のもと、グローバルヘルス専門家を育成するための2つの博士課程を設立しました。ピーター・ピオット卿は、LSHTMとTMGHのパートナーシップの確立に大きく貢献し、特に共同博士課程(Joint PhD)プログラムの設立に尽力されました。この成功を基盤に、文部科学省の卓越大学院(Doctoral Program for World-leading Innovative & Smart Education, WISE)プログラムへのTMGHからの申請は極めて競争率の高い選考プロセスを経て、第一回公募に採択されました。
さらに、TMGHは長崎大学のキーワードである「プラネタリーヘルス」に貢献するため、新たな大学院プログラム「プラネタリーヘルス学環」を設立し、博士(公衆衛生学)課程を設置しました。
長崎は江戸時代、日本における外国への唯一の「窓」でした。しかし現在、長崎は世界に貢献する役割を担っています。10年はあっという間に過ぎました。これまでに250名を超える修士課程学生、約40名の博士課程学生が修了しました。この間における、学生、教職員、そしてTMGHの教育・研究に関わってくださった皆様の貢献に感謝申し上げます。しかし、最も重要なのは次の10年です。TMGHの次の挑戦に対して皆様の温かいご支援をよろしくお願いいたします!
ご清聴ありがとうございました。
長崎大学大学院 熱帯医学・グローバルヘルス研究科長
北 潔
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